Intel NUC レビュー

Intel NUC8i7HVK Hades Canyonを買いました ― 購入レビュー

投稿日:2018年5月21日 更新日:


NUC6i7KYK Skull Canyonの登場から約2年が過ぎ、再びモンスターNUC「Intel NUC8i7HVK Hades Canyon」が発売されました。小さい筐体に4コア8スレッドのCPU搭載というだけで胸熱なのに、内蔵GPUにAMD Radeon RX VEGA Mをブチ込んだCore i7-8809G(またはi7-8705G)を搭載しているマニア垂涎のベアボーンです。

これを買わずしてIntel NUCを語れるか!というワケで早速購入したのでレビューします。

先代モンスターNUC6i7KYKがオモチャに見えるほどウルトラモンスターNUCでした!!

開封レビュー

Intel NUC8i7HVKには、NUC本体のほか、メモリ(DDR4 sodimm)、記憶装置(M.2 SSD)、OSが必要となります。今回は、SSDに国内販売されたばかりのSamsung M.2 SSD 970EVO 500GB、メモリはCorsair Vengeance DDR4-2400 32GB、OSはWindows10 Homeを準備しました。

開封

Intel NUC8i7HVKのパッケージは、先代モンスターNUC 6i7KYKと同じく、他のNUCよりも高級感のある箱となっています。Hades Canyonの上位モデルであるNUC8i7HVKはオーバークロック可能なCPU COre i7-8809Gを搭載しているため、パッケージ側面に「UNLOCKED PERFORMANCE」と誇らしげに記載されています。

箱を開けると、艶消しブラックの筐体が姿を現します。質感高い。

蓋裏にはSkull Canyonから続く髑髏マークがプリントされています。滲み出る中二感…。

同封品

同封されているのは、NUC本体にACアダプター、VESAマウント用ベースプレート、取扱説明書になります。

ACアダプターのサイズは先代のNUC6i7KYKくらいあるので、そのデカさに一瞬ビビります。

米Amazonから購入した北米仕様であるため、電源プラグは三叉です。二つ叉への変換アダプタか、二つ叉のプラグを用意する必要があります。

筐体デザインとインターフェイス

筐体デザインはNUC6i7KYKを一回り大きくした感じ。ただし、先代とは異なり天板がマットブラックであるため、質感は高く感じます。

フロントには左から電源スイッチ、SDカードスロット、USB Type-A×2(黄色は給電可能)、HDMI、USB Type-C、ヘッドホンジャックがあります。

背面には、上段の左からオーディオ端子、電源プラグ、USB Type-C×2、ミニDP×2、LAN×2、USB Type-A×4、HDMI端子があります。インターフェイスはNUCの他モデルと比較すると、かなり充実しています。下段には排気口があります。

左側面にはケンジントンロックと巨大な吸気口。

右側面には端子類はなく、巨大な吸気口のみです。

NUC6i7KYKと筐体サイズの比較

先代モンスターNUC「NUC6i7KYK」と筐体デザインは似ていますが、サイズは一回り大きくなっています。左がNUC6i7KYK、右がNUC8i7HVK。

厚みもかなり違います。NUC8i7HVKは、NUC6i7KYKに下段に吸排気口をつけたようなサイズ。後述しますが、これによって相当な排熱性能を確保しているようです。

組み立て

組み立てといっても、メモリとSSDの取り付けだけです。内部へは天板上の6つのネジを外し、天板を取り外してアクセスします。

天板を外すと、天板に髑髏マークが透かしてあることがわかります。

天板を外した後の本体。髑髏マークを光らせるためのLEDイルミネーションシート(白い部分)がセットされた金属製の内部蓋があり、SSDやメモリスロットへのアクセスには、この蓋を外す必要があります。LEDイルミネーションシートへの電源供給用プラグを抜いて内蓋を外します。

内部蓋を外した状態。

なお、内蓋の裏側には発熱しがちなM.2 SSDの排熱のために、サーマルパッドが貼り付けてあります。

で、さっそくメモリとSSDを取り付けてみました。あとは内蓋を閉めて、LEDイルミネーションシートへの電源供給プラグを接続した後、外蓋を閉めれば組立完了です。

組立完了後、電源をONにすると外蓋に髑髏マークが浮かび上がります。

ドクロマークの点灯については、2017年5月に書いたNUC7i7BNHのレビュー記事でこんなことを書きました。

前面のインターフェイスの回りの白線はLEDになっていて、記憶装置へのアクセス時に点滅します。最近のPCはよく光りますが、まさかNUCまで光るとは。これを光らせるなら、Skull Canyon(NUC6i7KYK)背面の髑髏マークを光らせてほしかったです。

Intel NUC7i7BNHを買いました ― 購入レビュー

まさかインテルの中の人が、このブログを見てるなんて(違

ドライバ類のインストール

パーツの取付が完了したら、WindowsライブUSBメモリを挿入し、起動するインストーラーのガイダンスに従ってWindowsをインストールします。

Windowsのインストール後は、次のページからNUC用のドライバをダウンロードしてインストールします。必要なドライバがまとめられたドライバーバンドル(約1.3GB)があるので、一括ダウンロードできます。

インテルNUCキット NUC8i7HVK用のドライバ・ダウンロード

これで基本的な設定は完了です。

ベンチマーク・テスト

さて、ハードウェアのセッティングやセキュリティ対策ソフトのインストールなど設定が終ったところで、いつものベンチマーク・テストを実施してみました。ちなみに、僕はハード・ゲーマーではないので、日常利用を想定した簡易なベンチマーク・テストしかしていませんので、あしからず。

Google Octane2.0 結果:42,303

まず、Chromebookのベンチマーク・テストでいつも使っているブラウザ Javascript ベンチであるGoogle Octane2.0です。結果は「42303」。これまでテストしたモデルでは最高だったNUC7i7BNHの「40,151」を約5%超えるスコアとなりました。
先代モンスターNUC NUC6i7KYKの「34,355」と比べると約20%アップの結果ですが、ベースクロック3.1GHz、ブースト時4.2GHzの4コア8スレッドCPUを搭載しているため、特に驚きはありません。

スコア自体に驚きはありませんが、その余裕っぷりには驚きます。これまでのNUCでは、Octane実行中、冷却ファンが結構唸っていましたが、このモデルはファン音が低音であるためか、ベンチマークテストを余裕でこなしている印象です。後述しますが、実際にCPU温度もそれほど高温にはなりません。

ドラゴンクエストX ベンチマーク 結果:19,839「すごく快適」

続いて、恒例のドラゴンクエストX ベンチマーク。DQXはもうやってないけど、先代との比較でベンチマーク・テストを実行したところ、これが驚きのスコアで「19,839(すごく快適)」をマークしました。NUC7i7BNHのスコア「8973(とても快適)」、先代モンスターNUC6i7KYKのスコア「8379(とても快適)」から約120%アップです!

内蔵GPU AMD Radeon RX VEGA Mの性能も凄いし、その性能を十二分に引き出すIntel Coreプロセッサもスゴい。

ベンチマーク中のCPU・GPU温度

で、今回のモデルがこれまでのNUCと違うところは、冷却能力

クレイジーな速さを見せつけたNUC7i7BNHは、ベンチマーク・テスト中、プロセッサーダイの許容温度である100℃に何度か到達するクレイジーな発熱でしたが、NUC8i7HVKはプロセッサーダイの許容温度100℃には全く到達しません。100℃どころか90℃にも到達せず、ベンチ中も概ね80℃以下で推移していました。GPU側も最大で65℃どまり。

ベンチを2回連続で回しても、温度の上昇具合は変わらず。毎回、しっかりと冷却されている印象を受けます。

Intel CPUとAMD GPUのコラボモデル「Core i7-8809G」は傑作なんじゃない?

※ネット上では、CINEBENCH R15を実行して99℃に到達した例もあります。

NUC8I7HVKでCINEBENCH R15実行すると完走するけど、すぐ99℃に達してサーマルスロットリングが発生。養生しまくってクマメタル化したらとりあえず5分くらい負荷をかけ続けても最高で83℃までに収まりました。 pic.twitter.com/pasg1qMqB8

— カゲ (@kage_9999) 2018年5月18日

欠点

ない。

あえて言えばデカい。これも冷却能力との引き換えと考えれば、欠点でもない。

まとめ

速い。しかも熱くない!先代モンスターNUC6i7KYKが実験台だったんじゃないかと疑うほどの完成度。

速い。余裕で速いキング・オブ・NUC!!

なお、価格もキング・オブ・NUCで、Core i7-8809G搭載の上位モデル「NUC8i7HVK」が定価999ドル、Core i7-8705Gを搭載した標準モデル「NUC8i7HNK」が749ドルです。両モデルの違いは、前者のCPUがオーバークロック可能であること、クロック数がほんのちょっと速いこと、GPUのコア数がちょっと多いことくらいです。グラフィック・ワークステーション的な使い方をする人などハードゲーマーでない限りは、標準モデル「NUC8i7HNK」で十分な気がします。

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